OB・OGの声

2022年度採用 立命館大学 経済学部 経済学科卒 女性

私は自分自身の夢を奨学金のおかげで挑戦を続けることができました。「教職員になる」という小さい頃からの夢を実現するために教職の授業の教材や学校インターンなど、夢のために今しかできないことを奨学金の力を借り積極的に参加し、奨学生に採用されたことで学習に対する意識も高まり、何事にも前向きに取り組むことができました。たくさんの支えにより夢を実現することができ、教員として新たな道に進みます。たくさんの人々に支えられて大学で学ぶことができたということに感謝し、奨学生として恥じることのないよう、立派な社会人の一員として自立できるよう、一層努力を行っていこうと思っております。最後になりますが、関育英奨学会に携わる全ての皆様に重ねて御礼申し上げます。ありがとうございます。


2022年度採用 早稲田大学 法学部卒 男性

この度は奨学金採用いただき誠にありがとうございます。私は本奨学金がなければ学費が払えず退学していたと思います。今回の奨学金は全額学費に充てさせていただきました。私は2021年の年末に父親を亡くしました。父は2019年の12月に家のトイレで倒れており、救急車で運ばれ、緊急手術で一命を取り留めましたが、腫瘍が見つかり、精密検査をしたところ胆管癌が見つかりました。胆管癌はすでにステージⅢで手術での摘出は困難でありました。そこで抗ガン治療とともに入退院を繰り返す日々が続きました。一年半は外での活動もできましたが、残りの半年間は入院生活を余儀なくされて、寝たきりになってしまい、最後は衰弱しきってしまい、2021年12月29日に永眠しました。両親は飲食店を切り盛りしておりますが、コロナによって経営が芳しくなく、日本政策金融公庫や信用金庫からお金を借りて、何とか経営を続けておりました。猶予期間が終了して、今年から返済が始まるという事ですが、客足は戻っておらず、依然として非常に厳しい状態であります。上記のような状態でありましたので、学費や生活費に関しては親に一切頼ることが出来ず、アルバイトをして何とか生活費、家賃を捻出しておりました。しかし、学費に関しては貯めることが出来ず、途方にくれておりました。このまま学費を払えず、退学をせざるを得ず、内定も取り消しになるのかと不安にかられました。そのような中で本奨学金の給付が決まり、まさに首の皮一つ繋がりました。奨学金をいただけたこと本当に感謝しております。ありがとうございました。
私は将来の進路として、P&Gのファイナンス部門への内定が決まっております。P&Gは外資系消費財メーカーであり、主力商品としては、アリエールやJOYなどがあります。そしてファイナンスはそのブランドのCFOとして経営戦略のプロフェッショナルを担うことを期待されております。どのブランドに配属されるかはまだ決まっておりませんが、どのブランドであったとしても事業活動の収益性を長期的に最大化するためにも包括的な視点でビジネスモデル(ポートフォリオ)を作り上げていきたいと考えております。また、2年後にはシンガポール勤務の予定ですので、海外でも通用するビジネスパーソンとして活躍していきたいと思います。長期的にはヨーロッパ本社のジュネーブやアメリカの本社のシンシナティで働き、世界を股にかけるビジネスリーダーとして活躍したいと考えております。その経験を生かして、奨学財団を立ち上げたり、講師として早稲田で教えたりするなどして、私が受けた恩を後輩に返していきたいと考えております。


2022年度採用 東北大学 工学部 化学バイオ工学科卒 男性

私は、奨学金を借りることによって、自分の将来を見直すことができた。関育英会の奨学金は、その申請時に担当教員による推薦と作文の提出が求められている。その際、担当教員に作文の添削をしてもらうために、私が教職に就きたいということについて説明することになり、その見通しの甘さを指摘された。その後、教職について調べたり私の希望を整理したりする中で、私の目標やそれまでの道筋が明確になった。また、奨学金を借りることによって教育実習や、教育実践演習を金銭的な不安なく実施することができた。実際の生徒に向けた授業を行うことで、自分が教員として秀でていると感じた点や、欠けている点を身をもって理解することができた。このように、奨学金によって、将来就きたい職業である教職に対するイメージが明確になった。大学院に進学した後、まずは臨時教員として、教育現場の実際を知り、今後の教員生活に活かしたいと考えている。


2022年度採用 神戸大学 理学部 生物学科卒 男性

私は、2022年4月より奨学金を受給させていただきました。この時期は、英語外部試験や大学院入学試験を受ける機会があり、その際に費用が必要でした。また、このような費用以外にも、種々の生活費であったり、卒業研究のための教材費であったり、他にも費用が必要な状況でした。そのようなこともあり、関育英奨学会様主催の奨学金制度に応募させていただくに至りました。応募する際は必要な書類を用意し、それを提出するだけでよく非常に簡単でした。また、奨学会様からいただく書類も非常に丁寧で、次に何を行えばよいのかが分かりやすかったです。誰もが応募できるわけではないかもしれませんが、機会があれば応募してみると良いのではないでしょうか。奨学会様からいただいた支援を基に、これから大学院で勉学に励んでいきたいと考えています。ありがとうございました。


2021年度採用 慶應義塾大学 理工学部 機械工学科卒 男性

この度は、奨学金の貸与をしていただきまして、誠にありがとうございます。実家からの通学時間を考えて大学の近くで一人暮らしをしており、両親の負担を少しでも減らしたいと思い、大学2年生の時に、貴財団の奨学金制度に応募いたしました。貴財団からご支援いただいた奨学金を生活費に充てることで、アルバイトも勉学の不安負担にならない範囲内で行うことができました。4年生では卒業研究に集中することができ、学会での発表など精力的に取り組むことができました。また、毎度とても丁寧に対応していただいた事務局の方にも深く感謝しております。直接お会いはできませんでしたが、毎回書類にメモでコメントをしてくださり、温かい言葉に励まされました。4月から大学院に進学するので、世の中に貢献できるような立派な社会人となるべく、勉学に励みたいと思います。新型コロナウィルスの影響で交流会には参加することができませんでしたが、今後機会がありましたらぜひ参加させていただきたいと思います。改めて奨学金を貸与していただきありがとうございました。


2021年度採用 早稲田大学 社会科学部 社会科学科卒 男性

学生期間にわたり、多大なるご支援をいただきまして本当にありがとうございました。貴財団の奨学金は、無利子かつ、返済期間等、返済にあたり柔軟にご対応していただけるため、本当に助かっております。これは貴財団のご厚意以外の何ものでもないと、私は考えております。また、貸与手続きの際の事務局の方の手書きのメッセージも印象的でした。暖かいお言葉には毎回励まされ、アットホームな雰囲気を感じさせてくれる貴財団からご支援いただけたことを、本当に嬉しく思っております。私が志していた公認会計士の一次試験に、この度合格することができました。これは貴財団からのご支援がなければ、到底叶えられることができなかった夢であると、私は考えております。新型コロナウィルスの影響のため、貴財団に直接お礼申し上げることができないため、この場をお借りしてお礼申し上げます。私は大学卒業後に二次試験を控えておりますが、私がこれまで学習に専念できたのは、暖かい方々のご支援のお陰に他ならなく、このご恩に報いていくことが私の使命であると感じております。より一層精進して参りますので、これからもどうぞよろしくお願いいたします。この度は本当にありがとうございました。


2021年度採用 東京家政大学 家政学部 児童学科卒 女性

いつも、多大なるご支援をいただきまして誠にありがとうございます。この度、東京家政大学を卒業しましたことをご報告いたします。私の大学生活は、関育英奨学会に支えられていたと言っても過言ではありません。私は、大学2年生時の両親の離婚、祖母の介護による母の一時離職によって家計が困窮しました。また、同時に新型コロナウィルスが流行しました。未知のウィルスによる先の見えない不安と恐怖、大学を卒業できるのかという不安に押しつぶされる毎日でした。しかし、その時に関育英会の奨学金を知りました。貸与型無利子の奨学金は私にとって希望の光でした。卒業に向かって強い意志を持って勉学に励むための、心強い支援となりました。また、書類などの手続きに際して、いつも事務局の方から手書きのメッセージが添えられていました。この暖かいメッセージは、大学生活を応援してくださっているように感じ、嬉しく励みとなりました。私は大学卒業後、地元の公立保育士となります。小さい頃からの夢が叶うこととなりました。関育英奨学会をはじめとして、これまでの沢山の方からの支援を胸に抱いて、保育士として地域の親子の力になれるよう一生懸命に働いていきます。そして、奨学金を返済するとともに、社会に貢献することで恩返しとなるよう励んでまいります。


2021年度採用 京都女子大学 家政学部 家政学科卒 女性

私は大学入学後、生活費をアルバイトの収入で賄っていました。しかしコロナ禍の中、アルバイトでの収入が減ってしまい、卒業までの残り1年間の生活のために関育英奨学会の奨学金を利用させていただきました。管理栄養士の資格を取るために、この1年間は病院での実習があり、感染予防の観点からアルバイトが制限されていましたが、奨学金のおかげで金銭面の不安が解消され実習に集中することができました。大学生活最後の年である今年度は卒業研究や国家試験に向けての勉強など、資格取得に重要なことが多くありましたが、全て乗り越えることができました。本当にありがとうございました。これからは社会人になり、夢だった管理栄養士として頑張りたいと思います。


2020年度採用 駒澤大学 文学部 地理学科卒 女性

ご支援いただいた奨学金のおかげで、無事に卒業までこぎつけることができました。私は在学中に教員免許や専門科目に関わる資格など、多数の資格取得を目指していたので、正直勉強だけで手一杯でした。しかし、奨学金があったおかげで、無理にアルバイトの時間を設けたりすることなく、勉学に集中することができ、目標としていた資格取得もできました。途中、新型コロナウィルスの感染拡大により大学の授業が全面オンライン化しましたが、その時のPCやネット環境などの環境整備の支えにもなりました。昨年度は、卒業研究に加えて、8月に社会教育実習、10月に教育実習があり、とても慌ただしい1年となりました。4年の間に色々なことがありましたが、総じて充実した学生生活を送ることができました。


2020年度採用 東京農工大学 工学部 生命工学科卒 男性

私の家庭の経済状況は良いものではなく、故郷の群馬を離れ、東京で一人暮らしをする私にとって、学費、生活費はかなりの負担であり、アルバイトをすることで生活の維持はできたが、成績を維持しながらとなると難しく、心身ともにダメージが大きかったです。経済状況に悩んでいるところ、民間・地方公共団体の奨学金の存在を知り、関育英会の奨学金に応募することとなりました。奨学生として採用され、奨学金を受け取ることができたおかげで、これまでの負担が軽くなり、学業に安心して専念できるようになりました。無利子ということもあり、卒業後の返済の負担が大きくなく、安心できるという点で、関育英会の奨学金の存在は私にとって大きいものでした。関育英会以外にも奨学金の応募に際して、大学の奨学金担当窓口にはお世話になっていましたが、担当の方に話を伺うと、意外にも私のように民間の奨学金を利用する人は学内ではあまり多くないそうです。私以外にも経済的に不安定で、中にはアルバイトを多くしなければならず、成績の維持が難しくなっている学生が多くいるはずです。そんな人たちにぜひ、この感想文を見てもらいたいなと思っています。


2020年度採用 早稲田大学 文化構想学部 文化構想学科 女性

私が当財団の奨学生になったのは、在学してしばらく経ってからのことでした。その当時、家庭の状況から学費の捻出に苦労していた私に、大学側から紹介されたことをきっかけに申請をしました。弱冠二十歳の私にとって奨学金の制度は少し複雑で、そのために入学当時は奨学金の申請自体ができませんでした。しかし、当財団の担当の方は電話で相談に乗ってくださったり、書類の記入方法などを別紙にご丁寧にご記載してくださったりと、奨学金の対応以外の面でも様々なご援助をしてくださりました。お陰で四年間在学し続けることができたので、大変感謝しております。また、当財団は奨学金の返済時の利息がなく、返済方式も自分で選択可能なため、非常に親切なシステムをご採用されております。


2020年度採用 慶應義塾大学 法学部 政治学科卒 女性

この度は多大なるご支援をいただきまして誠にありがとうございます。私には弟が2人おり、どちらも私立の大学・高校の進学を考えていました。そのため、長女である私は親からの仕送りをほとんど受け取らず、アルバイトのみで大学生活を送っていました。そして大学2年からのコロナによりアルバイトによる収入も減少し、奨学金を借りる経緯にいたりました。貴財団のご支援のおかげで、私が興味を持ち入っていた東洋政治思想史の研究室で多くのことを学ぶことができましたし、長期インターンにてマーケティングを学ぶ際にも、多くの教材や授業を受けることができました。このように学業とアルバイトの両立を計画的に図りながら大学生活を無事終えることができ、とても喜びを感じております。この4年間で得た知見を社会人でも生かし尽力してまいります。


2019年度採用 東京都立大学 経済経営学部 経済経営学科卒 女性

いつも多大なるご支援をいただきまして誠にありがとうございます。
この度、東京都立大学を卒業することが決定しましたので、ご報告させていただきます。 貴財団のご支援のおかげで学問に集中して取り組むことができ、無事に卒業できることに喜びを感じております。
私が貴財団の奨学金制度を知ったのは、大学の事務の方に紹介していただいたことがきっかけでした。応募の決め手となった点は、卒業後の返済負担があまり大きくなく、仕事や生活と両立しながら計画的に返済することができると感じたところです。
大学1年次に奨学金給付を受けることが叶わなかった私にとって、貴財団からご支援をいただけることは本当に有難いことでした。新型コロナウイルス流行後はアルバイト先のシフトが削られてしまい、月収が半分以下になってしまうことも多々ありましたが、貴財団のご支援のおかげで生活に困窮することなく安心して学業に取り組めました。また就職活動も順調に進めることができ、無事に就職先が決定いたしました。今後は定年を迎える父に代わって大学進学を控える妹を支えていけるよう、社会人として精一杯邁進してまいります。
最後に、自然災害や新型コロナウイルスの流行で他の奨学生の方々と交流を深めることは叶いませんでしたが、今後OGとして参加できる機会がありましたら、是非参加させていただければと思っております。今後の貴財団の益々のご発展をお祈りしております。


2019年度採用 東北福祉大学 総合福祉学部 社会福祉学科 男性

この度は奨学金の貸与本当にありがとうございました。私の実家は裕福ではなく、関育英会様からの奨学金の貸与が無ければ、学業の継続が難しい状況でした。両親は学費を払うのが精一杯でしたので、奨学金とアルバイトで生活を賄っていました。奨学金を貸与していただいてからアルバイトのシフトを減らすことが出来、使える時間が増えたので、とても助かりました。奨学金を利用することで時間が増えるので、有意義に生活することが出来ました。このような奨学金制度があることによって学びの継続が困難な状況でも、奨学金があることによって、学びが継続できることは素晴らしい事だと感じました。この度は、奨学金を貸与していただき本当にありがとうございました。


2019年度採用 慶應義塾大学 環境情報学部 環境情報学科卒 男性

奨学金を申請した大学2年当時、経済的に困窮していたのにも関わらず、多くの奨学金が大学1年生向けのものであり、卒業後の進路や人数が限定されているもので、このままでは卒業を断念せざるを得ない状況でした。貸与型無利子での奨学金は、データサイエンスを扱えるエンジニアを目指していた当時の私にとって、勉学に励みつつ卒業するための心強い支援となりました。大学生活の多くの時間をアルバイトに浪費することなく、学業や研究、スキルアップを図れるインターンの全てをバランス良く経験でき、無事エンジニアとしての内定を得て卒業することが出来ました。
また、分子生物学と情報通信の2つの分野で研究成果を残しつつ、機械学習に関する国際論文を提出できる状態にし、学業成績でも卒業生代表に選出される実績を残すことができました。
卒業までの資金援助をして頂いた関育英奨学会に深く感謝し、今後も社会貢献の精神を忘れずエンジニアとしての研鑽を重ねていきたいと考えています。


1993年度採用 東京学芸大学 教育学部卒 女性

(1)応募したきっかけ 1年生のときには入学時の手続きがあわただしく、奨学金を応募申請する時期が過ぎていました。2年次から募集する関育英奨学会の掲示を見て応募したのがきっかけです。
(2)奨学金の使い方 毎月の三万円は基本的に貯金して帰省するときの交通費、語学留学費用に有意義に使いました。時々、自分へのご褒美として美味しいものを食べたりもしました。
(3)関育英奨学会の特徴 年に1回、交流会*があります。現役の大学生はもちろん、理事長はじめ役員のみなさん、社会人の卒業生も集まります。自己紹介、近況報告、就活相談、時には先輩からの一言では書けないような人生アドバイスなど賑やかなひとときです。 単なる奨学金の貸与と返還という事務的なやりとりだけではない、「奨学生の顔が見える」のがこの関育英奨学会の魅力です。
(4)応募を迷っている学生さんへ おそらく給付型の奨学金と比較すると、貸与型は将来の借金が増えると心配しているのではないでしょうか? 関育英奨学会は貸与型ですが無利子です。毎月三万円を銀行口座からおろして使うのは簡単ですが、毎年少しずつ自分のお財布から出して返還するとなると「ああ、今月は厳しいな」などとお金の大切さが実感できると思います。 私は毎月五千円ずつを返還しながら、「現役の学生さんに有効活用される。社会人として貢献できた。」という実感がありました。 貸与型の奨学金は単なる借金ではなく、「返還する責任」と「社会への貢献」が伴っているのではないでしょうか。 頑張っている学生さんを応援する関育英奨学会なので、ぜひ応募してみてください。交流会で会いましょう!
(5)その他 2-4年生までの3年間の貸与期間ですが、私は4年生のときに大学を休学して留学する予定だったので、休学中の学生への貸与は打ち切りだと思っていました。事務局に相談すると、留学が終わって復学したら改めて貸与をしましょう、という温かい返答がありました。

*交流会につきましては、学生に交通費の負担をかけるため、東京近郊在住の方を中心にお声掛けさせていただいております。
新型コロナウイルスの影響で今後は交流会の開催に変更の可能性があります。


1991年度採用 東京都立大学 経済学部卒 男性

私が奨学金について調べ始めたのは、大学1年生の2月頃でした。初めは、当然のように給付型のもので自分が対象になりえるものはないか探していましたが、募集人数が少なかったり、対象学部や卒業後の進路が限定されているものが多く、なかなか見つかりませんでした。そんなとき、貸与型で無利子、しかも卒業後20年間で返済すればいいということで、非常に学生が一歩踏み出す背中を押してくれる財団法人だと思ったのが、関育英奨学会でした。履修を2年生まででほぼ完了させ、3、4年生時は自分の没頭したいことに取り組みたいと思っていた私は、アルバイトに振り向ける時間を減らすことができる毎月の奨学金は本当に助かりました。
大学卒業後、返済を始めるときも自分で返済期間と返済額を決めさせていただけますし、事務局のご担当との親身なやり取りは本当に助かりました。そして、自分の返済額が、次の奨学生を支えているという実感が沸き、社会人として一歩一歩成長し、自立していこうという意識を20代の頃から持たせていただけたことを感謝しています。 また、関育英奨学会の良さは世代を超えた繋がりを持てることです。毎年開催されます交流会*では、若い頃は緊張しながら諸先輩の深い経験に基づくお話を毎回興味深くお聞かせいただくことが出来ました。年月を経て、どんどん後輩も増えましたが、私が現役奨学生だった頃より、遙かに問題意識をしっかり持って、自分の未来のビジョンを持った奨学生達が多く、どうしてこんなに優秀になっちゃったんだろ?と不思議に思っています。関育英奨学会の若者に対する時代を超えた一貫したひとづくりの思いが間違っていなかったことを、大学卒業から30年近くたった今、実感します。 関育英奨学会のひとづくりの精神は、今、ビジネスで若い人たちと組織を動かしてゆく上でも、私に実際の経験として役立っています。

*交流会につきましては、学生に交通費の負担をかけるため、東京近郊在住の方を中心にお声掛けさせていただいております。
新型コロナウイルスの影響で今後は交流会の開催に変更の可能性があります。


1986年度採用 函館工業高等専門学校卒 男性

関育英奨学会に支えられた高専生活
 私は高専2年次から5年次までの4年間、関育英奨学会から毎月2万円の奨学金を貸与していただきました。その経緯、卒業後、そして今思うことを綴りたいと思います。
中学卒業と同時に実家を離れ寮生活を始めた高専1年生の夏、当時51歳だった父が消化器系の疾患により長期入院しました。せっかく高専に入学したものの家庭への経済的負担(国立なので安いとは言え、授業料に加えて寮費もかかります)が気になり、担任の先生に寮費がかからない地元公立高校への編入の可否について相談したところ、関育英奨学会の奨学金制度への応募を勧めてくださいました。幸いにも奨学生として採用していただき、経済的不安が無くなりました。
その結果、アルバイトに時間を割かれることもなく、勉強と部活動(サッカー)に集中することができました。平日は高専の敷地内(寮、学校、グラウンド)から出ないという閉ざされた生活でしたが、素晴らしい同期、先輩、後輩に恵まれ、非常に充実した毎日でした。
高専卒業後、大学へ編入学し大学院まで進み、その後大学教員となり現在に至っております。大学在学中、学部と修士では日本育英会の第一種奨学生、博士後期課程では幸運なことに日本学術振興会特別研究員(DC1)として採用していただくことができました。
また、大学教員となった後も、自身の研究を進めるために科研費補助金等の公的資金や各種民間財団助成金の援助を受けております(理系の研究分野では、試薬・器具・装置等を買うために「研究費」が必要です)。
 このように、私は関育英奨学会によるご支援により高専での勉強をあきらめることなく継続し、基礎学力(とサッカー部で鍛えた体力)を養うことができました。関育英奨学会のお蔭で、現在の私があると断言できます。また、高専卒業後も多くの制度の支援によって支えられてきました。人生の折り返し点を過ぎ、もちろん自分自身が学ぶことはまだまだありますが、これまで受けた様々なご恩を社会に還元したいと強く思うようになりました。
若い方々へ経済的支援ができれば一番良いのですが、そのような資産は持ち合わせておりません。私ができる恩返しの一つの形として、種々の支援によって身に着けた自分の専門性を活かし大学教員として後進を育てることが自身の能力の社会還元に繋がると考え、日々研究と教育に尽力しております。また、各種研究計画書の外部審査や英文原著論文の編集・審査の依頼などを積極的に引き受け、研究計画や研究成果を公正に評価することで社会のお役に立てるよう心掛けております。
 一見順風満帆な人生を送ってきたかのような文面ですが、決してそうではありません。自分の状況に不安・不満を感じることは、これまで多々ありました。しかし、奨学生の皆さんやこれから奨学生になろうという皆さんへ年長者からの助言として言えることは、自分の力で変えられないこと(例えば、保護者の所得、学校や職場の制度など)に対しては、悩み続けない方が良いということです。自力で変えられないことで悩むのは、時間の無駄です。
一方、自力で変えられることや改善できることには、エネルギーを注ぎましょう。つまり、世の中が不平等なのは当たり前で、自身の状況を客観的に把握し要所要所で最善を尽くすことが重要です。また、何かに迷ったとき、最終的に判断するのは自分自身ですが、複数の方に相談し意見を伺い様々な考え方を知ること(自分の考えを無理に変える必要はありません)は人生の糧になると思います。
 コロナ禍で困難な日々が続きますが、若い方々にとって、この駄文が参考になれば幸いです。